2019/11/21 10:58
▼自己紹介
初めまして。Keihamm shop の吉村形と申します。熊本県阿蘇郡小国町のくぬぎの森美術館で制作しています。自然に囲まれここ十数年は森の中に石や木を使って「森を彫刻する」というだいそれたテーマで仕事をしています。そしてこのkeihamm shopでは、僕がこの森からインスパイアされた作品を扱っています。一つ一つ気持ちを込めた作品です。どうぞお付き合いください。
▼はじめに、なぜこの作品を紹介する理由を教えてください。
僕が作る木彫の中でもユーモアたっぷりの表情で、ブルドックと狛犬の合いの子みたいな子を多くの皆さんへ届けたいと思いました。
そして僕の作るブルドックは神社に鎮座する狛犬の表情が交じり合っていて、洋犬と日本犬のミックスという感じなので、ちょっと変わったところなんかも注目していただけたらなと思います。
▼ この作品の見ていただきたいポイントは何ですか?
まず、手に乗るサイズ感です。思わず手に取りたくなるような愛くるし表情をしています。
素材はクスノキです。樟脳の香りがなんとも言えない心地よい気分にさせてくれます。
▼ このアイテムをどんな人にどんなふうに使って欲しいか教えてください。
僕の木彫はどのご家庭のリビングにも置いていただけるものですし、お客様のアイデアでどこにでも合うものだと考えております。(屋外以外は)毎日眺めて、触ってもらえるとありがたいです。
▼ 最後に結びの言葉をお願いします。
僕の木彫には一つ一つテーマがあり同じものはありません。じっくり木と対峙した空間の中で完成へと向かいます。少しお値段もしますが、お客様の日々の暮らしを暖かくそしてより楽しいものにして頂けたら幸いです。
▼ 親父のこばなし
ブルドックの切な顏
ただその顔面の面白さに惹かれたと思う。強そうだけどハァハァ言ってるし、愛くるしいペチャンコな鼻とシワがなんとも言えない。
僕は狛犬は何度か彫ったりしたんだが、仏師の彫るそれとは全く違うところでやっていた。佐賀辺りの石造狛犬なんか、おもちゃみたいで面白いし、由緒正しい神社などに鎮座している躍動する狛犬とはまったく違う形態。
(制作途中。じっくり木に向かう)
室町から鎌倉辺りの仏像はどんどん躍動しまくっていく。
どうだ!作ったぞ!っていう力強さと、色々な流派がぶつかり競い合ってる頃までは面白い。だが江戸時代になるとその流派の縛りが固定化されていくので、面白みに欠けていったと僕は思う。
物づくりって自分で作っていってもマンネリズムの波は必ず訪れる。ましてや流派がありその門人の子弟がずっと続く事はなかなか、新しい目線は生まれにくいように思える。
そこにすっーと、入ってくるのが田舎の仏師でもなんでもない農民が彫った仏像。技術的には劣るが、その素朴な雰囲気が良い。
その最たるものが円空さんになるんだが、やはり民の心に寄り添って制作し、形式を無視出来た自由を合わせもっていたから出来た仕事だろう。
神社巡りが好きな僕としては、最初に見える二対の狛犬は堂々していているがシンプルで無駄がないほうが、鳥居をくぐる時に力まない気がする。
そんな優しい形を追い求めてしまった結果、ツルツルの丸い卵、大きなおはじきのようなフォルムが生まれた。そしてブルドックの怖いけど愛くるしい顔面にしたかったのだ。
素材はくすの木で、臭いがまたたまらない。梅雨時期や湿度が高い時など彫刻から臭ってくる。
(友人のSowelu Bar Ber Kingオーナーが持つとこうなる)
手で持てるブルドック
触って掌で転がして欲しい。
きっとなんとも言えない手触りを味わえると思う。
何処に飾る?
家の定位置は決めて置いたほうが良いと思う。飾るというよりも置いて、手で持ってとにかく触る事から始めてもらうと嬉しい。
それではまた。